山と温泉で遊んでいる人のブログ
Hiking台高山系(歩き)

鯎谷高~父ヶ谷ノ高~国見山周遊/台高山系 1 of 2

予てより歩きたかったコースの一つ.ようやく訪れる機会を得た.今回も色々あったが,古の大林業時代に思いを馳せつつ,心ゆくまで台高の山々を堪能できた.

鯎谷高~父ヶ谷ノ高~国見山周遊

前日(10月18日)は雨,当日(10月19日)も天気が怪しい中,半ば強引に決行したのが吉と出た.

Day 1 夜まで天気が崩れなかった・・・が,季節外れの暑さ,前日の雨でぬかるんだ尾根で体力を削られ,水が全然足りない!!!冗談抜きで死ぬかと思った.なんとか水場まで体力と天気がもった.

Day 2 最高の縦走路.台高の美しさと厳しさがここに極まり.これは国見山を南から縦横してくるからこそ得られる景色である.

朝の新大杉橋;ムードが上がってきた

コース
Day 0 例によってJR三瀬谷駅前のフェアフィールド.相変わらず「良い!」.詳細はDay 2のおまけに.

Day 1 宮川ダム駐車場7:30→大杉バス停7:45→新大杉橋8:25→登山口?(鉄塔No13案内)9:00→680m尾根 10:40→廃小屋11:20→鯎谷高13:20→P1233 14:35→父ヶ谷ノ高 15:45→雨量観測所(テント)16:15 
Total 8時間45分;18km

Day 2 テント6:50→湯谷ノ頭7:58→山ノ神ノ頭8:25→台高縦走路分岐9:07→父ヶ谷林道9:45→国見山11:18→P1184 12:00→6号鉄塔12:33→7号鉄塔12:45→大和橋13:55→宮川ダム駐車場14:40
Total 7時間50分;15.7km

朝の宮川ダム

宮川ダムまで来るのは実は10年以上前に大杉谷を歩いて以来.当時は崩落した吊り橋が未復旧でワイルドな道だった.

ダムを渡りながら
林道脇の崖に穿たれた祠

大杉まで15分ほど歩き,登山センター登山届を出し,天気分からないけどとりあえず行ってきます,と伝えた.選挙ポスターが貼ってあった.ここまで貼りに来たのか!

ここから船に乗るのか(7:46)
雰囲気のあるよい林道だ
バスに乗ると楽しめない(8:17)
新大杉橋;周囲の山々が美しい(8:25)

新大杉橋を渡ったところでスマホがブラックアウトしウンともスンとも言わなくなった.強制再起動したらなんとか起動はしたものの,GPSが全く補足されない.なぜか方位は指し示す.仕事でもスマホは使うので,もし壊れたのなら月曜までに対処する必要あり,山は日帰りに変更しなければならなかったが,GPSのみの不調と思われ山は続行することにした.やはりスマホは山岳用としては信頼性が低い.バックアップのGPS(寧ろスマホがバックアップか)は常に持ちあるくべきと再度認識した.

小さな沢を越えて登山道へ

今回は熊対策を入念にした.音色の響く熊鈴加え,For Black Bear and Bad personと書かれた熊スプレーをホルスターに入れ持ち歩いた.その効果は分からないが,クマには出会わなかったのでほっとした.

巡視路の案内から入山(8:58)

巡視路入り口から入山.左の方へ良い道がつづいている.あれ?地形図の破線からどんどんとずれていく.どうもおかしいと思い(思った自分がおかしいのだが),いったん戻って律儀に破線を辿るように直登した.おかげで相当過酷な直登コースになった.

前日の雨で滑る;登山道ではない・・・(9:15)

前日の雨でぬかるんでいる.滑る.沢用バイルを持ってきたら良かった.休憩中に昼が手を這っていた.出だしからストレスがかなり強い.

林業用に伐採されている(9:33)

今日は異様に気温が高い.おかげで汗が半端なく流れ,水分の減りが早い.水分を2.3Lくらい持参したけど,よくよく考えると到底足りない量だったわ・・・ なんとか登り切り登山道に合流したよう.汗だくになりながらひたすら登っていく.

正規の登山道に合流したようだ(10:38)
シャクナゲ等が上からザックを押さえつけてくる(11:13)

尾根が明瞭になってくると気持ち的には楽だけど,さすがバリエーション,木々が迫ってくるのでザックが引っかかってかなり歩きにくい.これでだいぶ体力を消耗させられる.途中,廃屋が突如現れた.

朽ちつつある作業小屋(11:21)
昔の索道の一部か

ここからは鯎谷高を目指してひたすら稜線を歩いて行く.歩くと共に水が目に見えるように減っている.途中,足が攣りそうな前兆を感じて,すぐさま持参の芍薬甘草湯(クラシエ)を飲んだ.やはり即効性を実感,そのうちに気にならなくなった.出発前に1包,途中で2回追加で内服した.

ひたすら歩く
実に歩きにくい・・・体力を削られる(11:41)
時折開けて遠くを望める(11:46)
時々テープがある(期待すると遭難するよ)
このような縦走路がずっと続く(11:56)
巻くのもしんどい・・・(12:00)
直登・・・(12:05)
1030m地点;なだらかな尾根に出ると癒やされる(12:10)
ヒメシャラが入り交じる(12:20)
1090m地点(12:27)
南西に向かう緩やかな尾根(12:45)
でも右はヒメシャラの柵がびっしり(12:45)
このブッシュは・・・あんまり通りたくないなあ(13:00)
山頂直下のすこしなだらかな部分(13:16)
鯎谷高の山頂が見えてきた(13:20)
静寂の鯎谷高(13:23)
癒やされる山名板

鯎谷高を超えると展望が開けてほっと安心した.台高らしい楽しい縦走を満喫できる.

ピークを過ぎると開ける(13:24)
このあたりは巨大な倒木も多い(13:28)
まだ天気は持ちそうだ(13:34)
これから進む縦走路がみえる(13:35)
ここにきてこのブッシュ!(13:38)

1233m峰を目指して口渇と戦いながら歩みを進める.

高度感のある尾根が続く(13:50)
ザレて尾根が細くなっている(13:51)
まだまだ天気は持ちそうだ(13:54)

途中,何カ所かで遠くに沢の音が聞こえる.水のために下ろうかとも考えたが,下るリスクと登るときの負担を考えるとテン場まで急ぐ方が圧倒的に負担が少ないと考え,歩き続けることにした.

1233m峰までもう少し(14:23)
1233峰;山名版は消失?謎の瓶あり(14:31)

1233m峰は殺風景で何もなく,小休止してすぐに出発した.水があと500mL程度しかない・・・ビバークスルにしても水が必要.この量ではろくな飯が食えない,ということでひたすら耐えてテン場まで歩く.

1282mと父ヶ谷ノ高までの尾根(15:25)
まだまだ天気は持つぞ!(15:25)
1282mと父ヶ谷ノ高までの尾根(15:31)
父ヶ谷ノ高の手前の御料局測点(15:43)
かつての御料林の境界を歩いている(15:43)
父ヶ谷ノ高まで10m(15:45)
急坂を登り切ると父ヶ谷ノ高に到着(15:45)

ああ,父ヶ谷ノ高に来るのは17年ぶりだ.こんなに山深いところをよくも地形図・コンパスのみで歩いたものだ.本当に山深く,容易に近づけない.

「←馬の鞍山」の標識が転がっている
父ヶ谷ノ高を下ると眺望が得られた(15:54)
1082mピークまでの歩きやすい尾根(15:57)
実に山深い(16:00)
まだ日が当たっている(16:02)
1082m地点の手前(16:04)

テン場近くのコルに来たときには水200mLであった.沢の音が聞こえる.下るとほどなくして雨量観測所が姿を現した.そのまま沢に向かって下り,事なきを得た.

山中にそびえる異質な建造物(16:16)
あまりにも豊富な水.うまかった

この沢が涸れていたが脱水と電解質異常で倒れていたよ(~_~;)

最大でもこの量しか持てない

誰もいないのでありがたくコンクリートの上にテントを張る.この深山で汚れない至高のテン場.周囲には手頃な石が並べてあったので私も利用させてもらった.

夜は熊鈴を出しておいた
貸し切りの驚異的テン場

適当に食事を作って寛いだ.やっぱり2人用テントは広くて快適.finetrackのテントは優秀だ.眠れないのでデエビゴ5mgを飲んで寝たけど,2時間おきに起きたり,イノシシにテントで襲われる悪夢(いわゆる悪夢の副作用か?)を見たりで睡眠の質は良くはなかった.まあテント泊なんて10年以上ぶりなんで・・・.我ながらよく背負っていったよ.

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