人見谷は伯母ヶ峰に真っ直ぐに突き上げる沢.伯母ヶ峰自体も未訪問なのでこれを機会に独りで登ってきた.ただドライブウェイで終了するというのは周遊好きの私の嗜好に合わないので,今回も地図で目星をつけていた尾根を下ったのだけど,道はないわ,フェルトソールで滑るわ,水がなくなるわで最後の最後が実に不快で苦労した(笑)
【ルート】
林道(杣道)6:45→入渓点7:00→稜線11:35→伯母ヶ峰12:00→1262m 12:25→伯母峰峠分岐12:40→1187峰13:05→壊れた植林小屋14:07→林道15:05→駐車場15:15(8時間30分:13km,総上昇量1,030 m)

今回も沢山写真撮れたから貼っておこう(^o^)
左岸に併設された杣道をたどっていく.鉄板で仮設道もできていた.敷設するには苦労したであろう.おかげで退屈な序盤をクリアできた.



ワイヤを使って対岸へ渡ってしばらしくしてから入渓した.


520m地点で右俣から大滝が流入.が,進む方向ではないのでさっさと横目に通過した.

おっ,釜とナメ滝が出てきた.淵は腰まで.アマゾンで購入した中華製ネオプレンを身に纏った私には快適そのもの.どんどん水につかって進める.コスパ最強の逸品だろう.ここは左側が浅い.その上のナメ滝も快適.



凡流を登ると立派な斜瀑のお目見え.直登できそうだけど・・・.今回はスピーディに左のルンゼから小さく巻いた.落石必至で後続が入れば時間ロスするだろう.



小滝が連続して登場.1番目は釜に入る気がせず,右壁を巻いた(気がする).覚えていない.ノーロープ.次の滝も右側を快適に登った.遡行者がいるのだろう,ホールドが比較的明瞭だった.





メインの10m位の滝.快適に右側を登る.ノーロープ.

その上の2条の滝は文字通り高巻き.左岸の尾根まで上がり自然な感じで登っていくが,結構高巻く.復帰で懸垂下降かとも思われたが,道なりに行くとうまく上流に降り立てた.ドンピシャで二俣.


この二俣は左へ進んだ.右だと伯母ヶ峰が遠くなる.結果的には思いのほか最後まで楽しめるのでこれでよかったと思う.

最初の小滝はどうやって登ったかは覚えていないが,簡単に左岸から登った気がする.左の斜面は泥と一緒に滑りそうで近寄りたくない.

簾状小滝は一番右に倒木が架かっていたので,念のため木にガースヒッチで確保しながら木登り.真ん中の滝も登れそうだけど・・・
その後は凡流となり高度を上げる.徐々に水が少なくなり,これはまずいということで流れの途切れる手前で水分補充にした.浄水器で濾過した水は相当旨かった.がぶ飲み.





左の谷は枯れており不快そうだったので,右の方へ進むとずっと水が流れている.岩盤むき出しの小滝の連続で全て快適に登れた.



漸う(ようよう)水は涸れ果て,アブとちょっと大きな蜂(みたいな飛行物)がうざくなってきたので尾根へ上がることに.1050mくらいで右の尾根を強引に登ろうとして行き詰まり,結局懸垂下降で復帰.おとなしく左のやや傾斜の劣る尾根に進んだ.

それにしても荷物が重い.詰めの登り200mが全然進まない.
しんどくて写真撮ってない(汗)

稜線でとりあえずハーネスなど外して,ネオプレン下と沢靴のみになった.上着は着替えた.ウールの下着で登っていたけど,結構快適だったのでネオプレン上着を使用しないときは今後もベースレイヤーとして使用したい.靴は・・・軽量化のためサンダルしかなかった.最後まで使わない無用の長物に成り下がっていた.

さらに荷物が重くなった・・・14~15kgはある.大休止後,未訪問の伯母ヶ峰へ.台高らしい尾根を歩き,すぐにたどり着いた.展望は無いもののが気持ちが良い.なにより静寂が最高だった.

頂上で引き返し次なる三角点へ向かった.途中,立派な人工物が出現.三之公の観測所を思い出す.

地形図から一目瞭然の緩やかな尾根を気持ちよく歩いた.



途中,左手が植林になったがほどなくして自然林に戻った.


多古辻への手前の尾根はやや細くなり,台高らしさが強い.山頂は展望なし.嬉しさは無かった.下りの尾根も植林との境界で,予想以上に歩きやすかった.


1010mから尾根が二つに分かれる.傾斜が強くなり,やや荒れている.人が入っていそうな雰囲気を感じながら歩くとピンクテープあり.林業用か登山用かは不明.当てにすべきでない.




予想以上に尾根が歩きやすく,このまま楽勝でゴールインかと思っていたが,雲行きが怪しくなり・・・標高650mあたりから不明瞭になってきた.植林に沿ってネット(役になってない)が出現.中には立ち入るまいと考え,東へ.もはや適当過ぎて説明できない.獣道レベルの歩きやすい箇所を見つけては右へ左へ下っていった.

10分が長い・・・全然進まない

フェルトソールは辷りが良すぎて辛い.靴を履き替えないなら,チェーンスパイク持参の方がいいな.

あと100m位のところで水がつきた.口渇と暑さ,道の不快さとの戦い.
順調に下らせてくれるとは思えない.道路の法面の金網がない箇所があるのだけど,まだ道路まで3~4mほどの高さがある.ロープを出すかと思いきや,謎の綱が張ってあった.トラバースに綱を使い,そこから道路へ虎ロープが伸びている.流石にヤバい気がして,ロープを出した.ハーネスを使うほどでもなく,ロープを掴みながら林道に降り立った.



余りにのどが乾いて,駐車スペースの無効にある小さな沢で水を飲んだ.浄水器様々で神がかっていた.美味.
◆今回のギア達
小カム5個ほど,ハーケン4枚,ボールナッツ一式 全て使用せずw
ソロ用でグリグリも持参したが,これは再考の余地あり
30m 1/2ロープ 登攀では使用せず
keenサンダル 重いだけのゴミだった.下山の靴問題は奥深いテーマだ.
総重量15kgほど(装着したらザック重量は減る)
◆今回分かったこと
† 浄水器 最高
嵩張るが,通常山行にも持参したい.
水が苔くさくない.どこでも水分補給.素晴らしい!!!!
あとプラティパスの予備は忍ばせておきたい.
† ゴルジュハンマー必携
泥付きの高巻き,これがなかったムリゲー
† フェルトソールで下ると滑る
靴問題に帰着
今回は多古辻の三角点を踏む計画だったから周遊したけど,往復ならモノレールの軌道を利用したら高速で下山できるかもしれない.1062峰くらいから尾根を使って降りられるのではなかろうか(適当).

もし仮に,万が一この沢に来ることがあるとしたら,
次からは事前残置のglafitで下るわ