遂に天気が崩れた.雨の中のテント撤収はやはり辛いものだ.御座嵓あたりの岩場が滑る滑る.結構やばかった・・・なんとか無地に大台ヶ原に到着し,縦走を終えることができた.
台高山脈の素晴らしさを満喫できた.
願わくばいずれ尾鷲までも抜けてみたいね.
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<5月1日(火)>
キャンプ6:00→御座嵓6:20→添谷山6:50→大台辻8:00→川上辻→大台ケ原ビジターセンター→日出ヶ岳→大台ケ原ビジターセンター11:00 (11km/5時間)
4時20分位に目が覚めた.外は雨が降っている.寒くて20分ほどシュラフから出られなかった.それからさっさと朝食を済ませ雨の中撤収.テント片付ける のは本当に面倒だった.
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初めの御座嵓(ござくら)は添谷山(1250m)の手前にある岩場である.まだガスはそれほど出ていないのでなかなかの展望が得 られた.私はここでかなりの恐怖を味わった.横の巻き道が目に入らず岩場をクライムダウンしてしまった.グレード的には5.6程度の岩場だが雨で濡れてお り,しかも横は絶壁である.足を滑らしでもしたら即滑落死の状況であった.無事下りられたときは途轍もない安堵感に浸った.勿論後続の2人は巻き道を使ってきた(この登山道に気づかなかった).
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添谷山を過ぎてからは雨の中を大台辻を目指したただひたすら歩いた.もう地図を見る元気は無い.ベタベタ貼ってあるテープを頼りに進んだ.大台辻でよく ある標識を見たときは,一般登山道に出たという実感が湧いてきた.そこからは逐一ピークを踏むという今までの道とは打って変わって,非常になだらかでゆっ くりと高度を上げていく一般的な道になった.ただし谷のトラバースは崩壊のため慎重さを求められた.
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川上辻でついに大台ケ原ドライブウェイに合流.そこか ら20分ほどでビジターセンターに着いた.荷物をデポして日出ヶ岳(1694m)をピストン.ガスのため視界はゼロ.しかも猛烈な風が我々を襲う.頂上で写真を撮ってすぐさま駆け足で下山した.
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食堂でそば・牛丼・ぜんざいをたいらげたあとは,16時15分のバスまでストーブの前で暖まっていた.地図や写真を見つつ感想や今後の希望などを話し合った.
帰りのバスの中で奇跡がおきた!
2日目に無くしたデジカメを数時間遅れで縦走していたパーティのうちの一人が持っていてくれたのだ.やはりヤブに引っか かっていたそうだ.平日の一本しかないバスが幸いした.感謝しきれないほど嬉しかった.その後バスは2時間ほどかけて近鉄大和上市駅に到着した.
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台高縦走は非常に素晴らしい山歩きだった!!
台高山脈の縦走路は始終テープが貼ってあった.しかも比較的新しいものであったため,縦走する人はそこそこいるのだろう.また道は踏み後程度だったが地 面の色の違いや足跡などからかなりと辿ることができた.さらに馬ノ鞍峰~大台辻には境界見出し標があるのでそれを忠実に辿っていけばよい.
しかしコンパス・地図は現在地確認にはやはり欠かせない.水場は明神平,千石山南面,地池越,引水サコを利用したが,そのほかにも何箇所かある模様.またテント場も利 用した所以外にいい場所が数箇所あった.いずれにしても計画はしっかり立てなければならない山であった.