奈良県の秘境的登山道である大杉谷ルートを同僚3人で歩いてきた.三重県大台町の宮川第3水力発電所横から入り,大台ヶ原の日出ヶ岳に抜けるルート.雄大な渓谷美は必見の秘境である。
<Day1>
宮川ダム11:30→六十尋滝13:05→大日嵓吊橋14:00→千尋滝15:20→猪ヶ淵16:15
→平等嵓吊橋跡地16:30→桃ノ木山の家18:00→七ツ釜滝18:30 (7時間)
<Day2>
七ツ釜滝6:10→光滝7:15→堂倉滝8:05→日出ヶ岳11:20→大台バス停11:50 (5時間40分)
JR三瀬谷駅から町営バスで宮川貯水池まで行った.1時間以上乗車して,なんと300円という驚愕運賃.途中に大熊谷の入渓地点を通過した.3年前,初めて車で沢に行って,深夜ガードレールに車を破壊された懐かしい場所である.終点の大杉から林道を2時間歩き,六十尋滝(ろくじゅびろたき)で休憩した.貯水池はもはや小川で,到底船が進める水位ではない.
宮川第三発電所の前に新しい看板が色々と貼ってあった.どうやら工事が始まっているらしい.開放されている「立入り禁止」ゲートから登山道へ.大日嵓吊橋,熊谷吊橋,地獄谷吊橋など沢山の吊り橋が迎えてくれた.踏み板も新しくなっているようで,どれも頑丈そうだった.
千尋滝は対岸にあるのであまり迫力がなかったのが残念.紅葉の季節なら美しいだろう.このあたりにあると高度感も出てきた.しばし休んで猪ヶ淵に到着.公式にはココまでは整備完了したとされている.
猪ヶ淵は淵というか,もはや子供が河原遊びするための浅瀬である.埋まってしまったのか?奥の支流からはニコニコ滝がかかっていた.何だか知らんが無性に苛立たせる名前に感じたが,あくまで個人的感情なので無視してほしい.姿は秀逸だが,名前の由来は全く不可解である.
ここから「立入り禁止」の鎖を乗り越えて次の目的地へ.少し上がった所にある,鍵のかかった木の扉を巻くのが結構いやらしかった.もう少し楽な巻きができたかもしれない.気を付けて!これを越えたら平等嵓吊橋跡地まで楽にたどり着けた.ここからが今日の核心.
気が進まないが,テープに盲目的に従って進むと非常に悪いトラバースが出てきた.滑り落ちたら下まで墜ちていく.ハーネスとロープ があれば,ランナーをセットしつつ楽にこなし懸垂下降で終了となっているに違いないが,今回は事情が違う.結局,吊橋の土台横から簡単に降りられた.馬鹿馬鹿しい.何のためのテープなのか理解に苦しむ.やはり自分で判断するべきだった.それで間違ったら納得できる.
沢に降りて対岸に移り,ガレ場をひたすらのっこしていく.これだけの崩壊はそうそうない.岩も浮いているので落石も怖い.登って再び河原に降りる行為は本当に馬鹿げている.平等嵓は迫力あった.悪い下りを終えれば再びまともな登山道に復帰できた.
桃の木山の家には人影があり,周辺にテントを張るわけにもいかない.七ツ釜滝付近に東屋があるという情報に信用して,更に進むことにした.結果的にはこれが最善の選択だった.ここの東屋でのQOLは非常に高かった.夜はMr.GODのシチューを食って寝た.男3人では食い足らないぐらいだった.