長年連れ添ってきた口蓋扁桃palatine tonsilとおさらばした。
高熱・咽頭痛で結構体力・気力を消耗させられてきたので未練は全然ない(笑)
経時的に写真を撮ってみたが,舌圧子がないのとピンぼけであまりパッとしない。
以下は入院中の経過である。
day 0 全麻で午前中には帰室した。予想より癒着が少なかったよう。麻酔導入時の急激な鎮静を経験する度に,自分のターミナルケアでどうしようもなくなったら鎮静をお願いしたいと思う。術後疼痛もロピオンが効果絶大。尿バルンなしなので安静解除後も身軽。
day 1 絶食輸液。アドナ・トランサミン混注,側管からCEZ投与。術後間もないため咽頭の痛覚が鈍く思ったより痛くない。ロキソニンで自制内。鼻呼吸は辛く夜間何度も起きて良眠できなかった。側臥位で多少は軽減するが辛い。
day 2 点滴off。粥が始まる。高血圧はないので自前のおにぎり用の塩をかける。開口器で固定した箇所に口内炎が多発。舌炎もありなかなか食事が辛いが完食である。palatine uvulaが3倍の大きさになっている。ひたすらアズノールでうがいうがい。
day 3 白苔が厚くなってきた。ウイダーなどのゼリー食を併用。回復を早めるべく自前のアバンド®も摂取することにした。事前の予想通り疼痛増大傾向。ロキソニン分4でも厳しいのでカロナール500も加えてもらった。必要時指示だったが,なぜかロキソニンと一緒には出せない,もう少し時間を空けてと夜勤看護師に言われる・・・汗 時間をずらして頂戴する。
day 4 先生にカロナールを定期にのせてもらって,頓服云々での看護師とのやりとりを最小限になる様になった。負担軽減(笑) 感謝感激。タンパク不足なのでコンビニでプロテインを購入して飲むようにした。アバンドも継続した。
day 5 持ってきた本や雑誌を全て読んでしまいやることがなくなる。コンビニで東野圭吾の推理小説を買ってみた。著者の作品は初めて読む。
「ある閉ざされた雪の山荘で」金田一(耕助・少年)的な閉鎖雰囲気が大好きなんだけど,その閉鎖舞台の設定がなるほどと感心した。
day 6 ロキソニン+アセトアミノフェンを分4定期内服。 5時間くらいで急激に薬効が切れて痛みが増強する。ネオベールと一塊になった血腫が出来たりはがれたり。
「白馬山荘殺人事件」谷の様子を勝手に想像。スイスみたいな断崖絶壁ではないだろうな。十津川の山間って感じ?伏線が多くて最後まで楽しめる。
「私が彼を殺した」くず男のマコトくんが殺される話。犯人は自分で推理,だめなら最後の解説でヒントをもらい,それでも分からなければネットでチーティングしなければならない。十数年前に「School Days」っていうアニメがあって,これまたマコトくんというくず男が最終的に滅多刺しにされるのを思い出した。まさにこれ(笑) Nice boatってもう死語かな。
day 7 白苔が薄くなってきた。
「殺人の門」要領悪くできの良くない男が,ずっと友人(?)に欺かれ利用され,憎悪を募らせながらも復讐を決断できずに生きる様を少年期から成人期にかけて描写されている。同じ鬱展開の反復で飽きてきたが,読み始めたからには終わらせないと,という強迫観念に支配される。この倉持っていう悪友,これまた十年前の「四畳半神話大系」というアニメの小津を連想してしまった。
day 8 本の続き。じっくり読書できる環境は素晴らしい。いいリフレッシュ期間になった。やっぱり横溝正史の面白さには及ばないなあと感じた(思い出補正?本の選択が悪かった??)
day 9 ENT 経腸栄養剤愛好家なのでエンシュアを処方していただき帰ることにした。