山と温泉で遊んでいる人のブログ
Hiking北アルプス

五竜岳~鹿島槍ヶ岳~扇沢 2 of 2

10時間ずっと雨風に晒されていた.世間では遭難騒ぎがニュースになっていたよう.
昨日にもましてコースタイムを縮められ,当日中に扇沢まで下山できてしまった.

思ったよりも体力は低下していない?いや,単にガレ場登りで時間を稼げただけか.
まあ,いずれにせよ無事に下山できて何より.NORTH FACEのレインウェアよ,ありがとう!

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鹿島槍ヶ岳(2889m)にて雨・風に晒される.視界ZEROで清々しい.

一睡もできないまま3時40分に起床し,α米を食って朝一番に出発した,
ちょっと強い小雨って感じだったが,天気ばかりはいかんともしがたい.
ヘッドランプをつけると乱反射して見づらくなるので,早めに消した.
飛ばさないように歩き,50分で五竜岳山頂に到着した.

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五竜岳山頂(2814m)にて

さて,ここからは今回の核心部分である岩稜歩き.鎖やら梯子やらがご丁寧に備わっている.
リングボルト,大丈夫か?慣れているとどうってこと無く楽しく歩けると思う.

下界が見下ろせないので,今ひとつ高度勘無く退屈・・・と思いきや,
雨風が激しくなるとともに眼鏡に水滴は付くうえ曇り,顔は風で冷たくなり,
岩場はびしょびしょで滑ると逝ってしまうしと,素晴らしい余興が目白押しであった.

 

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渋滞してたら絶対落石おこってやばいわ,この登山道!

G4,G5がどこにいるのかも気にせずに尾根をガンガン登降し,
びしょ濡れの巨大なガレ場(三段登り?)を三点支持を交えて慎重に済ませ,
更に歩いて歩いてキレット小屋へ到着.立地が際どい!
ガレ場が基本三点支持でこなしていかなければ,普通に落ちていくかもしれない.

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たまに緩やかな尾根もでてくる

小屋に入って少し休憩.エビスビールが大量に蓄えられていた(笑) 
どんだけ酒好きがやってくるんや!,と思ってしまう.

これから先の写真は少ない.風雨の中,一眼レフを取り出すのは非常に面倒だった.
頂上での写真も撮影に多大なエネルギーを要している(´・ω・`)

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キレット小屋 よく耐えてるなぁと思わずにはいられない

小屋を出てすぐ八峰キレットへ.
不帰キレット,大キレットと併せて3大キレットと言うらしい.いわゆる「3大なんちゃら」である.
距離はしょぼすぎてあっという間に終了.個人的にはG5付近の方が難しいと思うがいかがだろう.
まあ3級程度の岩場を登れたら微塵も問題なかろう.
むしろ落石が危険因子だと強く思う.
ただ,他の箇所についても言えるが,ダウンクライムとなると話は変わるかもしれない.

鹿島槍北峰へ到着.こう見えても,写真とるのに必死だった(笑)
南峰は思ったよりも離れていたが,ガレ場を攀じてついに念願の鹿島槍へ登れた.
何がいいか?う~ん,名前?まあ人間そんなもんよ.

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鹿島槍ヶ岳 北峰(2842m)にて

だが山頂からの尾根歩きが,実は最大の核心だったりした.
遮るもののない稜線は雨が視界を邪魔し,冷たい風は右顔面を侵そうとする.
顔面神経の機能が落ちてるのか,右眼輪筋の動きが妙に悪い.妙に表情が鈍い.

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長い稜線・・・その雲の向こうにどれだけの雄大な景色があることか

高度が下がってくると,樹林帯となって風が収まった.冷池山荘に到着したのが10時過ぎ.
かなりいいペースで進んでいるので,このまま扇沢まで下山してしまおうと決めた.
もう狭い布団で寝る気は毛頭無い!

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レンズが曇ってぼやけてる・・・が拭くものがない!

爺ヶ岳は北・中.南峰(2669.8m)に分かれるが,だらだら坂の上にあるピークで,
横にトラバース道も完備されているので,オール無視で先を急いだ.
雨風で登ろうという気が全く起きなかった.足もさすがに張ってきている.
下山後の交通を気にするほうが大切大切.そのまま種池山荘へ潜り込んだ.

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洒落た感じの種池山荘が見える(意外と遠い!)

妙に腹が空いているので,ラーメン&ぜんざいを系1200円で平らげた.うまい!!
結構親切な値段に思えた.塩分も多めに補充されたので,これで下まで持つだろう.

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mobileなので画質はくゴミ

そこから柏原新道は,取り立てて言うほどのものはない普通の登山道.
降りることに夢中(必死?)で,写真もとらずに降りた.湿度が高く,気温も上がって蒸し暑い・・・
扇沢の沢の音が大きくなってくると,さすがに三頭筋も悲鳴を上げスピードは格段に落ちた.

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扇沢に到着・・・レンズが曇っている(´・ω・`)

登山口に2時15分頃に到着し,そのまま車道を歩きターミナルへ向かった.
途中,扇沢ロッジが廃業になっているとの張り紙を見た.危なかった.
帰りの交通がなければ泊まろうかなとか思っていたものだから.
手元の地図は2009年版でupdateされていなかった(汗)

駅で着替えを出してみると,服が濡れている!!!
スタッフバッグの劣化 Σ(゜Д゜; いつまでも古い道具使ってたらダメだわ.
いい教訓を得た,ということで何とか気持ち悪いのを我慢医して着替えを済ませた.
信濃大町までバスで約1400円,そこから関西向けて帰った.

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