2日目も快晴で言うことなしの天気だった.石楠花谷出合いまで平凡な河原歩き.二俣を過ぎたところのミニゴルジュでのトラバースが結構面白かった.S氏は林道をガンガン歩いていた.
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Day 2
キャンプ7:20→石楠花出合い8:40→F.すだれ状2段13m 9:00→遡行終了→ハイキング道→駐車場12:45
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石楠花谷に入ってから,暫くは岩場歩きが続き,核心と思われるF.2段13mたどり着く.前回は本谷のF.2段25mでリードしたが,今回の方が断然悪いと思う.上部でカムとスリングをけちってランナーをとらずに登っていった末に,核心部分が出てき た.落ちたら確実に10m以上の高さからグラウンドフォールする状況だったが,落ち着けば何の問題もない.
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次のF.2段18mは左から笹をこいで巻く.少し悪かった.この泥臭い巻きにうんざりした.憎悪の念を覚えた.それからはひたすら小滝を越えて高度を稼いた.
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局所的には簡単なクライミングだが,何度も出てくると体力を消耗する.
詰めは比較的短く,水の涸れたところで遡行を終了. 10分ほど急坂を登ったら正木ヶ原への登山道に出た.本谷のような詰めのしんどさはなかった.
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体力がかなりついていて驚いた.ここ数ヶ月のトレーニングでスタミナがついたよう.精神的にもすぐには参らなくなった.マッターホルンは自分を大いに成長させてくれたんだと思った.
次の接待沢は,これまた久しぶりの大峯.その沢をもって,私は沢を辞めるつもりだ.ここいらで区切りをつけたい.メンバーや天候,日程の都合で4級以上の 沢に結局行けず仕舞いだったのは少しばかり心残りに思う.2年前の南紀・栂谷をきっかけに沢にはまり,色々な沢に行ってきた.それなりに数をこなしていくうちに,沢というものがかなりマンネリなものに思えてしょうがなくなった.2,3級の沢で燻っていたせいもあるだろう.だが,もはやあの汚さには嫌悪感しか抱けなくなってしまった.
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昨今,沢での事故があまりにも目立つ気がする.ニュースが一般人の目にも頻繁に触れるまでになった.確かに危険な遊びだと思う.そんな中,幸いなことに自分は事故に一度も遭っていない.その根底は,やはりクライミングだと今でも思う.「沢をやるなら最低11aは登れるべき」という 言葉を思い出す.以前の記録を見直してみると,確かに自分は11aを登れるようになってから沢を始めたようだ.マッターホルンにしても沢にしても,登山の基本はやはりフリークライミングといえるだろう.最後の沢で事故ってことにならないよう,気を引き締めたい.
今まで付き合っていただいたパートナー,そして私を魅了してくれた自然の造形美の数々に感謝したい.