山と温泉で遊んでいる人のブログ
沢登り大峯山系(沢)

白川又川岩屋谷/大峯山系

10月3日
家20:30→白川又川林道付近の休憩場23:30
10月4日
白川又林道5:50→入渓点6:10→5m斜瀑6:43→45m滝8:15→スダレ状5m滝9:35→大CS滝10:43→雌滝11:35
→雄滝12:45→尾根(遡行終了)13:46→小峠山14:50→登山口15:30→車15:36(9時間46分)

Y氏と一緒に大峰の白川又川に踏み入れてきた.
今年度中に大峰の沢に行きたかったのと,3~4級の沢に行きたいという2つの希望が動機.
すると自然と候補は白川又川になる.白川又には川いくつかの有名な沢があるが,
残念ながら深部の林道が不通になっており制限が大きかったので,R169から一番近い岩屋谷にした.
絶妙なへつり,際どいクライミング,いやらしい巻き,豪快かつ美しい滝など多くの要素が詰 まった秀渓だった.
初めての4級の沢だったが,簡単すぎずある程度の緊張感が求められるので,充実感が半端ない.
これで快晴ならば言うことなかったのだが・・・いずれにせよいくつもの大滝は必見である.

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ハイライトの一つ,雌滝70m:私がこの裏に密かに居るのです

前日はきれいなトイレのある休憩所らしき場所でテントを張って寝ることにした….が,
R169 はトラック等の交通量が非常に多く,轟音&headlightによる頻回の覚醒のために全く眠れなかった.
ここまで眠れぬ体験は初めてだった.

翌日,ハーネス等を装備して,白川大橋を渡り林道に入った.
予想とは異なり,林道入り口からもう通せんぼされていた.
2,3台は止められそうだが,トラッ クとか来そうなので駐車はやめた.
林道修復なのかダム工事なのかよくわからないが,工事は意外と規模が大きかった.

入渓点は橋を渡って左手にある林道の終 点を下ったとこで,非常に近い.
どうせなら林道にテントを張ったほうが遙かに安眠できたに違いないのだが,初めてなので仕方あるまい.
不眠のせいで何だ体 がだるいぞ.免疫活性も落ちてそうだ.大丈夫か?と疑った.

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白川又川林道:現在工事中

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山深くなってきた

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入渓点

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入渓後30分ほどで最初の顕著な滝に出会った.5m斜瀑だが,へつりが嫌らしそう.
右側が行けそうだぞ!Y氏にリードをしてもら う.
古いハーケンとロープ(?)が足下にあったが,我々は全くそれらを使わず,というか足下なので反対にバランスを崩しそう.
アンダーでさくさくトラバー ス.クラックにはバシッとカムが決まった.面白さで何となく目が醒めてきたようだ.

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最初の斜瀑F.5m

その後ビッグボルダー帯をひたすら乗っ越したり,小滝を巻いたりしながらどんどん進んでいった.
結局はクライミング力が重要だなあ.釜のある小滝の右側を巻いたら(意外といやらしかった!),F.40m(らしい)が現れた.
この滝の左側のルンゼを 登って滝を巻こうとしたのだが,なんやかんやいって時間をロスしてしまった.
まず私がリードして,次にY氏.ルンゼを離れて右に斜上しようするが,意外と 悪く,やっぱりルンゼに戻った.
このときのトラバースも悪く,泥の足場はすぐ崩れる.次に私がリードして登り切る.最後は懸垂下降で沢に戻った.

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最初の大滝が見えてきた

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F.40m(?)の前で

しばらくして現れたのが,5mのスダレ状滝だった.
他の記録では滝裏をくぐったというものがあったが,そんなことは濡れるので金輪際したくはない.
というわけで私が左の壁を空身でリード.クラックにカムを1つ噛まして登った.
微妙な立ち込みクライミングで程よい緊張感.その後荷揚 げ.

この沢はチョックストーン(CS)が多かった.小さなものはくぐれたりもした.洞窟みたいだ.
結構クライミングはさせられたが.小CSをくぐったあと, 大CS滝が待っていた.
右は大岩壁で,奥には巨大な雌滝が望めた.当然登れないので左の壁から巻く作戦.核心は出だしだけ.
私が試みるが,右へ体重移 動する際に足が滑ってフォールした.ホールドもヌメヌメ.
今度はY氏がトライ.私が詰まったとこに,ハーケンを発見!!スリング通して使うとなんと楽なこ と.
回収のため私を確保してもらう.スリングに体重かけてないから,実は使わずに行けるのだ.巻いた後はおなじみ懸垂下降.
クライムダウンできそうだ.ちょうどナメ滝の始まるとこに降りることになるので,滑りでもしたらヤバイ.
だからザイルを出した.ボルダーを乗っ越したら雌滝の前に出た.

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小さなCSをくぐる

ハングした崖にかかる雌滝70mの側にいると,風と飛沫(しぶき)が強い.下まで行くと,ゲリラ雷雨.巻きは,初めは横の緩いルン ゼを登る.途中で右に入るが,狭いしかなり急.完全にクライミング.ホールドがもろく,剥離しそうなのでヒヤヒヤしまくり.Ⅳ級くらいあるんじゃないの?20081004_09.jpg

大CS滝,すげぇの一言

先ほどの巻きを終えて,斜面を下ると雄滝130mが現れた.でかいの一言だった.釜はそう深くはなかった.
兎にも角にも finaleを飾るのに十分くらい素晴らしい滝だ.
このときようやく太陽が現れたのだが,すでに南中していたので,滝の右側にちょっと日が当たっただけ だった.
今年は太陽には全く恵まれていなかったとつくづく思うよ.
明日は天気が悪いので今日中に下山するために,遡行は終了.
左のルンゼ(しんどいかっ た~)を突き上げて,稜線に出て着替えた.

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雌滝70m 水飛沫が強い

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雄滝130mの前で

稜線は踏み跡が若干ついていたが,途中のテープべたべたピークで方向を間違ったのか,藪ばっか.
これはどうもおかしいと思い,強引に斜面を突っ切って尾根にでたら,ちゃんとした道があった.
台高の弥次平峰のような道だが.それにしても暑いし,体が痒い.
小 峠山からはネット(林業関係者か)に沿って歩き,最後の激坂を下って下山した.ここから100m歩いて車に戻れた.

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下山後家に帰ったら,何かにかぶれたの か,前腕正面と大腿部に尋麻疹のようなものができていた.
抗ヒスタミン薬等を塗ってしのいでいるが,何が原因なのかねぇ.
沢の水か,稜線での汗の放置か, 藪か.いずれにしても不眠がこの件に大きく関わっていると確信しているのだが.

また大峰の沢にも行きたい.

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